
催眠状態になると、顔の表情筋も弛緩し、とろんとした表情になります。
表情筋には、頬筋・口輪筋・眼輪筋・笑筋・口角挙筋・口角下制筋・オトガイ筋などの筋肉があります。
眼輪筋がゆるむと、とろんとした目や視点だ定まらない目になってきます。
上眼瞼挙筋やミュラー筋がゆるむと瞼が下がってきて半目になってきます。
特に上眼瞼挙筋の遅筋が弛緩すると、瞼を大きく開けたままキープするのが難しくなってきて、瞼は下がってきて眠そうな表情になります。
頬筋や笑筋がゆるんで力が入らないと、とろんとした感情に乏しいような表情になります。
催眠術にかかると、口角挙筋もゆるむことから口角が下がる傾向にあり、オトガイ筋や口輪筋がゆるむことで、口が半開き状態に開きやすくなってきます。
催眠術にかかったときに、よくしゃべる人の口数が少なくなっって、ぼーっとしたような表情をしていたり、無感心、無感動のような表情になっているのも、催眠術によって前帯状皮質(ACC)が抑制されていることと深く関係があるのではないかと考えられます。
また催眠状態になると、大脳の46野の活動は、ほとんど活動しなくなると言われていて、そのため催眠術師の言うことだけがクローズアップされた感じになって周りのことが気にならなくなったり、催眠暗示で言われたことに対して批判の目でみるフィルターが溶かされ、素直にそのまま催眠暗示を受け入れてしまうという現象がおこります。
催眠状態になると、半目状態、そこまでいかなくてもいつもよりは少し瞼が重くて下がっているような感じになったりします。
催眠状態では、この上眼瞼挙筋の速筋線維に加えて遅筋線維も抑制されて弛緩してしまっているので、瞳を開き続けた状態でいるのが難しくなり、自然と瞼がだんだんと下がってきて半目状態になってしまうのではないかと考えられます。
アニメで催眠術にかかり催眠トランス状態になっているキャラの表現では、いかに催眠状態の目の表情を表すかということになります。
催眠状態になった人の目、すなわちトランス凝視(trance stare)という状態は、次のような特徴があります。
a glazed look in the eyes
つまり、「とろんとした目」
さらに
staring eyes and almost petrified stance
見つめる目、ほとんど石化してるような状態の目
催眠術にかかっちゃっている人をみると、目がとろんとしちゃっていたり、視点が定まらないような感じだったりしますが、まさにそういった表情になります。
さらに催眠状態に誘導された人の目をみると、催眠誘導凝視 (HIS:The Hypnotically Induced Stare)という状態になります。
まばたきの頻度が著しく減少し、瞳孔の大きさはわずかに小さくなり、サッケード(saccade)と言われる眼球運動が抑制されてきます。
催眠状態になると、このサッケードの振幅や速度は抑制されます。
アニメやコミックを見てると、催眠状態の目をいろいろな手法で表現していたりしますが、瞳の色を変えたり、虹彩にグラデーションをかけたり、していなくても、催眠状態のような感じなんだなっとわかるような描写も結構あります。
その中で、私がこれと思ったものを紹介します。
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トランス凝視はいってる感じで、瞼も下がってきていて眠そうな表情、さらに視点が固定してしまっている感じがでています。 |
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一見普通の感じの目ですが、顔全体がとろんとした感じで、目もなんとくなくボーっとして眠そうで催眠術にかかっているような感じがでています。 |
『俺物語!!』に登場してくる砂川愛姉さんは、非常に催眠術にかかりやすいキャラという設定になっていますが、その催眠状態の顔の表現は、うまく表現できていると思います。
とろんたした瞳はもちろん、重たそうな瞼、口角が下がって少し開きかけた口、頬などをはじめとした力が抜けて無表情な感じの顔全体といった具合で、文字で「ポカ~ン」と書いちゃってるところはありますが、文字がなくても眠そうでボーっとした感じになっていてポイントが抑えられていると思います。
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