催眠術は、魔法ではない
同じ動物でも、猫ならなってもいいけど、豚とかは格好悪いからヤダとか、ウサギならかわいいからいいけど、猿になってウッキッキーとかになるのはイヤだというように、まあなってもいいやという動物と、こんな動物にはなりたくないということで差があったりもします。
催眠術では、原則、嫌なことはさせることができません。
テレビの番組や、コミックやアニメに登場してくる能力者や催眠術師をみていると、催眠術って、なんでも人を自由に操れる魔法という幻想をもっている人もいるかもしれませんが、そんなことはなく、よく言われるのが、人前で初対面の人に催眠術をかけ、いきなり「服を脱いで、裸になりなさい!」とストレートに命令しても、大抵の人は裸にはならないという事実です。
見ず知らずの人たちの前で、裸になるというのは、言うまでもなくかなり心のハードルが高いもので、それだけ潜在意識の深いところにあると思われるので、催眠術にかかった変性意識下であっても、そう簡単にはその心のハードルを越えることはできないのでしょう。
犬になるという催眠暗示は奥が深い
これで完全にかかって、完璧に犬になったと仮定するとします。
つまり、自分の頭の中にある犬のイメージで、犬になっているのです。
犬になる催眠は、かかり具合によって全然気分が違う
思いっきり犬になりきっちゃう深度催眠
思い込みのはげしい私は、催眠中の変性意識の中で本当に自分を犬だと思い込んでしまいます。
後でビデオをみてみると、顔を震わせながら、
ヴゥ~~ワンワン ヴヴヴ~ワン!
と思いっきり吠えて、四つん這いで這いずり回っていて、よくここまでできるなというくらい、みごとな犬っぷりになっています。
自分が犬になって、チンチンしてることはわかっていますが、完全に自分のことを犬だと思い込んでいるので、自分が恥ずかしいことをやっているなんていう感覚は全くなく、当然、恥ずかしいなんて気持ちはありません。
思いっきり、なりきっちゃっています。
催眠から覚めたあと、催眠中の変性意識で恥ずかしさがなくなっていたせいか、正気に戻ってもそれほどの恥ずかしさはありません。さすがに後でビデオとかでかかってる時の映像を見せられるとメチャはずかしいですが・・・
かなり深いレベルまで催眠状態になってしまっていますが、ある意味、一番幸せなかかり方かもしれません。
変なことは恥ずかしいが、のせられるうちに平気になる中度催眠
でも犬になるという使命感みたいなものもあります。
変性意識の中、ボーっとしている感じでかなり恥ずかしいという感情は少なくなっています。
少し違うのですが、気分的には、何かのエンタータイメントなどで犬の物まねコンテストに出場しているような感じに似ています。
自分は人間であるという意識がありながら、変性意識で犬になることに対するハードルがかなり下がっている状態で、あまり抵抗はありません。
四つん這いになって、ワンワン!と普通に鳴くぐらいなら、ほとんど抵抗はありませんが、さすがにチンチンとか、床に置かれた皿に入っているミルクを舐めるみたいなことを命令されると、ちょっと恥ずかしくてやりたくないなという感情が少しでてきます。
でもそれも、
うまくできましたね。
やっているうちに、どんどん気持ちよくなっていきますよ。
もともと催眠中も多少なりとも恥ずかしいという感情があるのと、催眠中のことは覚えているので、催眠を解いてもらった瞬間、ものすごく恥ずかしくなります。
いやいやながらも従わされてしまう操り人形状態の軽度催眠
犬になるのは恥ずかしいという感情も結構あります。
テレビで催眠術をかけられたタレントやアナウンサーが恥ずかしそうに苦笑いしながら踊ってしまっているシーンを見たことがある人もいると思いますが、ちょうどあんな感じでかかっている人が、同じような気分になっているんだと思います。
頭ではわかっているんだけど、体が言うこと聞かない感じです。
完全に犬になりきっている深度催眠の場合とは異なり、
いや私は本当は人間なの! 犬なんかじゃないし、ちょっと恥ずかしい
という気分になっています。
頭でわかっているけど体が言うこと聞かないということで、苦笑いとか照れ隠しの表情になるのかもしれません。
まさに強制的に操り人形にされている気分です。
ただ、正気のときはそんなことさせられたら、反抗的な感情が強く出てくるようなことでも、変性意識状態にはいっているので、催眠暗示で命令されてることが、それほどおかしなこととは思えなくなっています。
つまり、自分で考え、判断して、おかしいとか批判できる力が完全になくなっていて、言われたことを多少おかしくても、そのまま素直に受け入れやすくはなっています。
だから操り人形みたいに言われるとおりになっている自分のことはわかっているけど、多少イヤでも暗示通りになってしまいどうにもならないと思ってしまっているところがあります。